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PPMは、企業経営者が「事業ポートフォリオ」を紘開眼して眺める際などに、直感的にわかりやすいことから、よく用いられてきました。
とくに、事業の撤退や縮小などがタブー祝されてきた日本企業においては、「ボストン・コンサルティング」がPPMでレントゲン写真を撮るように企業の事業や商品を位置づけ、そのいくつかを「負け犬」と定義してしまうことは、衝撃的ですらあったのです。
PPMを用いて、企業の「事業ポートフォリオ」の変遷を見てみることに図表詑は、Cの「事業ポートフォリオ」を分析したものです。
図表沼の1985年の「事業ポートフォリオ」、[B]は、1995年のものです。
この一0年間にCは、どのような企業戦略をとったのでしょうか。
[A]の1985年当時のCでは、売上規模を示す円の大きさからわかるように、コピー機が中心的な商品であり、これで得たキャッシュをベージ・プリンタや、パーソナル・ワープロといった「花形」商品の開発・販売にあてるという「事業ポートフォリオ」であったことがわかります。
[A]は、10年後の1995年には、[B]のチャートに見るように、コピー機は「金のなる木」の使命を終える一方、ページ・プリンタからは、小型ページ・プリンタが新たに「金のなる木」に、そして「インクジェット・プリンタ」が市場が急成長している「花形」に、分化していきました。
一方で、「花形」であったワープロは市場の成長も鈍化し、シェアも下落し、完全な「負け犬」に転落しています。
このように、PPMを用いることで、企業の各商品や事業の位置関係やバランスを視覚的に捉えることができるようになりました。
その一方で、PPMに対しては、さまざまな批判や限界が指摘されています。
その最大のものは、PPMが「戦略」に結びつきにくい、という点です。
すなわち、ある事業が「負け犬」にあるからといって、それが即、撤退すべき事業とは限らず、逆に、「花形」の中であってもCのワープロの例のように、資源を投入しても成長しないケースもある、という点が指摘されています。
PPMを開発した「ボストン・コンサルティング」自身も、「PPMはキャッシュフローをどのように融通すべきかを明らかにするツールである」としています。
こうしたPPMの限界を解消するため、ライバル「マッキンゼー」が開発したのが、「ビジネス・スクリーン」です。
これは、世界有数の優良企業であるGと「マッキンゼー」が共同開発したもので、PPM同様、2つの軸で事業をプロットしていきます。
その際に用いる軸は、「事業の魅力度」と「自社の強み(事業の地位)」で、それぞれ複数のデータを合成して作成するところに特徴があります。
たとえば、「事業の魅力度」は、市場規模(現在の規模)・市場成長率(将来の予想)・循環性(その商品が勃興・発展・成熟・衰退のどのサイクルにあるか)などから判定され、「自社の強み(事業の地位)は、市場占有率・競争優位性(品質・技術・製造コスト・流通マーケティングなどの面で)・相対的収益性(利益の額や利益率のライバル比較)などから判断されます。
この2軸を用いて、事業を9つのスクリーン(セル)に位置づけていきます。
最近流行のシネマ・コンプレックス(複合映画館)では、それぞれのスクリーンで何が上映されるかが決まっていますが、この「マッキンゼー」開発のビジネス・スクリーンにおいても、どの箱に入るかで、そのビジネスについて、「利益回収・撤退」すべきなのか、「現状維持」でいいのか、「増強・てこ入れ」対象なのか、が一目でわかるようになっています。
「五つの力」と「バリュー・チェーン」次に、「事業戦略」に関するフレームワークについて、見ていきましょう。
「企業戦略」をきちんと立てて、限りある資源を適切に各事業に配分したとしても、個々の事業が期待どおりの成果を上げてくれないことには、企業経営は成り立ちません。
ある会社が自社の事業の戦略を考える場合、その事業の置かれている競争状況やライバルや顧客の動向といった外部環境と、その会社の強みや弱みといった内部状況とを、まず認識し、分析する必要があります。
そのための最も基本的な「フレームワーク」が、「3C」です(図表M)「戦略」とも呼ばれるこの「フレームワーク」では、「顧客」「競合」「自社」の三つから事業を捉え、戦略を構築していきます。
まず、「顧客」については、その市場規模、購入の動機、購入時の判断のポイント、購入後の使用状況などを把握します。
自動車を例にとれば、どのくらいの数の人がどの程度の頻度で買い換えるのか、何を参考にその車種に決めるのか、買った後はどのように使っているのか理由は何か、などを理解することが必要です。
次に、「競合」については、自動車という商品分野で、自社のねらいと同じ消費者層を相手に商品を提供している他企業を分析します。
国内だけでなく、海外メーカーまで対象に含まれます。
「自社」については、企業文化、組織、技術力といった社内資源と、シェア、認知度、ブランド・イメージなどについて、他社との比較の中で自社の強みと弱みを把握します。
このように、「三つのC」の視点から情報を。
収集し、戦略を考えることで、大きな漏れや見落としを避けることができるのです。
また、事業の状況を分析する「フレームワーク」として有名なのが、「SWOT分析」(スウオツト分析)です。
この枠組みにおいては、内部環境と外部環境という2軸を用います。
そして、内部環境としての自社の強みおよび弱み、外部環境としてのビジネスの機会および脅威ごとに競争環境を分析します。
この4つの象限をまとめて、それぞれの頭文字を取って、SWOTと呼びます(図表おー1)0そして、これらの4つの項目をクロスさせた表を作成すると、対処すべき方向性が見えてくる、という仕組みになっています。
つまり、「自社の強み」を活かして、取り込める「事業機会」は何か、逆に、「自社の弱み」からせっかくの「事業機会」を取りこぼさないためにはどうすればよいか、といったことを考える材料となるのが、この「SWOT分析」です。
さらに、「自社の弱み」と「脅威」が現実になった。
つまり、最悪事態が発生した。
場合に備えて何をしておくべきか、というリスクマネジメントについても、この分析から検討することができます。
これは、「外部環境」やその業界の構造を分析するためのフレームワークとして、よく用いられています。
ポーター氏は、戦略系コンサルティング・ファームである「モニター・グループ」の創始者で、ハーバード・ビジネス・スクール教授です。
その代表的著書である『競争の戦略』(ダイヤモンド社)は、今日でも多くの経営者やコンサルタントの聞で利用されており、「MBA取得者が選ぶお勧め経営学書ランキング」などという調査では、常に上位にランクされる名著です。
マイケル・ポーター氏は、いくつかの業界を調査し、業界によっては、すべての企業が利益を上げているケースもあれば、ナンバーワン企業でも儲かっていないこともあることを発見しました。
そして、「業界内で競合にどう勝つか」だけにとらわれていたそれまでの戦略論から脱皮し、以下の五つの要因がその事業の収話性に影響を与える、と考えました。
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